家事能力

 

 

 

学習指導要領の改訂によると、その昔、技術・家庭科の授業は今の授業数の2倍以上あったそうな。昭和33年代と今の私が当時学生だった時でも2倍程度の差がある。

なので、今の若い人たちが家事ができなかったり、電気系統がちんぷんかんぷんだったり、大工仕事ができないのはある程度は仕方がないことらしい。

 

学校で習わない分、家で教えろよ

なのか

そんなことはプロの業者にまかせろよ

なのか

そのあたりの解決法に疑問を投げかけている論文をみた。

 

まぁ、男女どっちにも教えるために、技術家庭科は端折ってもいーじゃん、も分からないでもないが、個人的に

保育

だけはそれなりの時間数を男女ともに確保しておかないとあかんのじゃないかとは思う。

 

人間得意不得意があるので、技術家庭科の類が苦手ですっごくいやだった人もいるだろう。逆に五教科が辛くてしんどくて…という人もいたはず。私は技術家庭科に予習がないというだけで軍配は完全にこっちだ。

 

舅は高所恐怖症で大工になれなかっただけで、大工仕事は大変得意だ。そして裁縫が趣味で、繕いものやミシンもこなす。私の夫は工業系が得意で、未だに整備工になりたいと言っている(老後の楽しみにとっておけ)。

私はおそらく母が家庭の道に大変長けていたおかげで、冬の休みは舅と針仕事をする仲になってしまった。

 

こうなると面白くないのが姑だ。

面白くないのは分かるが、舅や私がしている針仕事を「時間の無駄だ」「貧乏くさい」と落としにかかる。なので、舅も私も姑の繕い願いは一切引き受けない(仮に引き受けてやっても文句を必ず言われるからやるな、と舅がそれとなく伝えてくれ、また嫁の立場から断れないだろうと矢面にも立ってくれた)。仕方がないので彼女は自分でとりかかったりするのだが

 

危なくてみていられない

 

程度ならともかく

 

危なくて近寄れない。

 

針仕事が終了するとたいてい床か机にハリが落ちている。

遠目から見ていると、そもそも必要なもの以外とりのける、という発想がないらしく、洗濯物やカバンに手帳、の間に裁縫道具を広げている。

そしてピンクッションを使わない。

バスタオルや下着に針落としたらシャレにならないのだ。

 

どこで基本を落っことしてきたのだろうか。しかも授業数は私の倍時間こなしているはずの姑である。

 

得意不得意は分かる。針目がそろわない、ミシンが使えないのは仕方ないとしても針をあちこちに置き去りにするのはやめていただきたい(大体舅が見つけて怒っているが)。

 

そんな姑だが、料理がうまいかというとどちらかといえばブーで、それはしっかりご自分の娘にも受け継がれてしまい(というかそもそも教えてもいない)、ご主人が裁縫をし、子供たちから食事がマズイといわれ、私にクレクレ攻撃をしかけるようになってしまったのだよ。

姑の言い訳によると、娘が昔アイロンを触って火傷をしたことがあって、それから一切ケガになりそうなものには触れさせなかったんだそうだ。包丁しかり、ミシンしかり。

道理で私の夫が

「あなた、アイロンかけられるんだね」

とヘンなところで感動してたわけだよ。

 

かわいい息子が嫁のアイロンがけに感動すると、「私だってかけられるんだからっ!」と対抗して力任せにぎゅうぎゅうアイロンをかけるものだから、私が持ってきたアイロン台は2か月ほどで台がボコボコになり使えなくなってしまった。

 

アイロンはね、アイロンの重みを使って滑らせて使うんだよ。

 

そこらへんの年寄りのようだが

いったいどこで何を習ってきたのか。

ちなみに、姑の出身校は俗にいう「花嫁修業でハクのつく女子高」である。

今は廃校になってもうない。